2007年9月15日土曜日

6.1騒音防止技術の概要

騒音防止の技術は多様であるが、ほぼ確立されている。防止技術は
①「音」に対する物理的方法 発生源を弱める。伝播経路に対策を施すなど。
②「聴く」に対する感覚的方法 マスキング(他の音を上げて気になる音を隠す)
③「好ましくないと思う」に対する心理的方法 挨拶、話し合い、補償など

直接的圧量の変化の防止音の発生原因のひとつである空気中の直接的な圧力変化は、急激な気体の膨張をともなう爆発や、空気の流れの乱れが原因で起こる。
対策を大雑把にいうと、高い音は吸音させる、低い音は重量のある材料で遮音するという感覚だろう。低周波音・超低周波音は、別途対応を考える必要がある。



物理的に騒音対策を行う場合、音の発生源に対して対策を施すか、音が伝わる経路に対して対策を講じるかという2種類の対策がある。分類は中野先生の著書による。技術的アプローチに関して、とても有効な分類だ。

音源に対して対策を講じる技術の中には以下のような技術がある。
a 直接的圧力変化を防止する。
渦の発生、流れの乱れ、爆発などを防止することにより、音を発生させない。
b 物体の振動を低減させる。
打撃、衝突、摩擦、不平衡力の除去、釣合、補剛により加振力、たわみを低減させる。
振動伝導率が1以下になるように物体と振動体の間に防振装置を設置設置する。
制振材料を塗布または貼り付ける(損失係数が5%以上)。制振鋼板を使用する。
加振力の周波数または固有振動数を変え共振させる。減衰付与する。  

音の伝わる経路に対する対策としては以下のものがある。
音のあたるところに必要吸音率を持つ吸音材料を貼る。高音域で有効である。
遮音 密閉型  必要等価損失を持つ材料で音源を囲う(カバー、フード、建屋)
部分型  減音量より10dB異常大きい等価損失を持つ障壁を立てる(塀、建物)      開口型  必要等価損失を持つ消音機を音の通路につける。  
共鳴防止   発生音の周波数または固有振動数を変える、減衰付与
距離減衰 問題点から音源をできるだけ離す。割りと効果的である。
指向性による減衰 音が強く放射される方向を問題点に向けない
空気の吸収による減衰 長距離、高周波音の場合に有効
気温・風による減衰 風下に音源を設置する
地表面の吸収による減衰 吸音性の地面にする
樹木による減衰 並木程度では効果は無い葉の密度の大きい木で15dB/50m程度感覚的方法  

物理的効果ではなく感覚的な対策もある。
マスキング  音(マスカー)を出して気になる音を隠す  音レベルの低い音に有効  マスカーの周波数より高い周波数がマスクされやすい

また、心理的方法として、挨拶、補償等による対応がある。

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