音のエネルギーは伝播するとある面積に広がり、単位面積当たりのエネルギーである音圧レベルとの関係が幾何学的に求められる。パワーレベルと音圧レベルの関係は伝播途中の部屋等の状態で変化し以下の式で表される。
(a)自由音場(無響室内の音場)自由音場は無響室内の状態であり、音の強さが距離の2条に逆比例し、地面を含め回りからの反射音の無い状態である。東京タワーの頂上から音を放射した場合の伝播状態。Lp=Lw-20× log10r-11Lpは測定点の音圧レベル、Lwはパワーレベル,rは音源からの距離(m)
(b)半自由音場(半無響室内の音場)半自由音場は、床のある無響室(半無響室)内の音の伝播状態であり、一般の広い野原の音の伝播に相当する。距離rが2倍になると音圧レベルが6dB小さくなる。倍距離6dBの減衰という。Lp=Lw-20× log10r-8
(c)拡散音場各点の音圧レベルを測定し、上記の式でパワーレベルを求めることもできる。拡散音場は、音がよく響く残響室内の音場状態であり、大きな境界、大きなお風呂屋さんで体験できる。Lp=Lw-10× log10T-10×v-14Lwはパワーレベル、Lpは残響室内の平均音圧レベル、Tは残響時間(60dB減衰する時間、秒)、V(㎥)は室容積である。
(d)パワーレベルと音圧レベルの関係通常のブックシェルフ型のスピーカー(20-30cm位の径)において、電気入力を音に変換する効率は1%くらいである。100wの電気入力であれば、1wの音響出力が得られる。残りの99wは熱になる。1Wの音響出力はパワーレベルで120dBである。一般の広い空間に相当する半自由音場で計算すると、距離1mで112dBの音圧となる。
1mの距離で42dBを実現するためには10000万分の1wの音響出力がある必要がある。機械の駆動源であるモーターの機械的な出力は100w程度であり、それに比べて音響機など決まった機械類においては、経験を加味することによってかなりの音響予測が可能になりつつある。また、試作後の騒音対策による効果は、音響シミュレーションを利用し、経験も加味して予測が可能になりつつある。
音響出力w パワーレベルdB 距離1m音圧レベルdB 例
1 120 112 ディスコ
0.1 110 102 列車の通るガード下
0.01 100 92
0.001 90 82 大都会のうるさい雑踏
0.0001 80 72
0.00001 70 62
0.000001 60 52 先生の話さないときの教室
0.0000001 50 42 静かな住宅地
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