2007年10月11日木曜日

6.2 騒音防止技術 木造の防音室

以下に代表的な技術を掲載する。
  1. 壁を中空二重壁構造にし、中空層にグラスウール、ロックウールなどの吸音材を入れ、壁両側に鉛などの遮音材を使用する
  2. 床は浮き床にし、床と天井の両側に遮音材と吸音材を使用する
  3. 開口部には防音仕様の製品を使用する
  4. 遮音性能は、床や壁の質量にかかわるため、構造上不利な2階を避けて、1階に設ける。
  5. 請負者は、防音室の設計・施工を請け負ったときは、発注者から聴取した遮音性能を要求する目的に基づいて、遮音の設計目標値を設定し、これを達成できるように仕様を決定すべきである。
  6. 同じ仕様でも、施工精度が遮音性能に大きな影響を及ぼすので、遮音材にすき問ができないように、高い精度で施工しなければならない。そのため、防音室については、設計・施工を含めて専門業者に下請けさせる。
  7. ウォークインクロゼットを設ける場合その間のドアも防音仕様とする。

2007年9月15日土曜日

6.1騒音防止技術の概要

騒音防止の技術は多様であるが、ほぼ確立されている。防止技術は
①「音」に対する物理的方法 発生源を弱める。伝播経路に対策を施すなど。
②「聴く」に対する感覚的方法 マスキング(他の音を上げて気になる音を隠す)
③「好ましくないと思う」に対する心理的方法 挨拶、話し合い、補償など

直接的圧量の変化の防止音の発生原因のひとつである空気中の直接的な圧力変化は、急激な気体の膨張をともなう爆発や、空気の流れの乱れが原因で起こる。
対策を大雑把にいうと、高い音は吸音させる、低い音は重量のある材料で遮音するという感覚だろう。低周波音・超低周波音は、別途対応を考える必要がある。



物理的に騒音対策を行う場合、音の発生源に対して対策を施すか、音が伝わる経路に対して対策を講じるかという2種類の対策がある。分類は中野先生の著書による。技術的アプローチに関して、とても有効な分類だ。

音源に対して対策を講じる技術の中には以下のような技術がある。
a 直接的圧力変化を防止する。
渦の発生、流れの乱れ、爆発などを防止することにより、音を発生させない。
b 物体の振動を低減させる。
打撃、衝突、摩擦、不平衡力の除去、釣合、補剛により加振力、たわみを低減させる。
振動伝導率が1以下になるように物体と振動体の間に防振装置を設置設置する。
制振材料を塗布または貼り付ける(損失係数が5%以上)。制振鋼板を使用する。
加振力の周波数または固有振動数を変え共振させる。減衰付与する。  

音の伝わる経路に対する対策としては以下のものがある。
音のあたるところに必要吸音率を持つ吸音材料を貼る。高音域で有効である。
遮音 密閉型  必要等価損失を持つ材料で音源を囲う(カバー、フード、建屋)
部分型  減音量より10dB異常大きい等価損失を持つ障壁を立てる(塀、建物)      開口型  必要等価損失を持つ消音機を音の通路につける。  
共鳴防止   発生音の周波数または固有振動数を変える、減衰付与
距離減衰 問題点から音源をできるだけ離す。割りと効果的である。
指向性による減衰 音が強く放射される方向を問題点に向けない
空気の吸収による減衰 長距離、高周波音の場合に有効
気温・風による減衰 風下に音源を設置する
地表面の吸収による減衰 吸音性の地面にする
樹木による減衰 並木程度では効果は無い葉の密度の大きい木で15dB/50m程度感覚的方法  

物理的効果ではなく感覚的な対策もある。
マスキング  音(マスカー)を出して気になる音を隠す  音レベルの低い音に有効  マスカーの周波数より高い周波数がマスクされやすい

また、心理的方法として、挨拶、補償等による対応がある。

5.2実際の騒音対応 2

音の特定はとても難しい。

どこから発生しているのか、自分が悩まされている音は一体何なのか、どのような経路で伝わっているのかを特定していくためには、様々な技術を利用していく必要があり、様々な音や振動が複合しているとそれでも特定は難しいことがある。

一方、被害者にとっては、苦痛である。一度耳についてしまうと非常に気になるものであり、一刻も早く被害者の苦しみもとり除いてあげられるよう努力したいものである。そんなことを意識しながら、とりあえず問題とりくみへの手始めとしての手順を簡単にまとめてみよう。

音の問題は人間関係的な問題でもある。礼儀正しく進めることが必要だと思う。なお、本稿は個人的な勉強のためにまとめたものであり、参考にしておこったいかなるトラブルにも責任持てないのであしからずご了承願いたい。


1.人を疑う前に。

耳の病ではないか、医者と相談してみる。部屋のどこにいても同じ音色かつ同じ大きさの音なら、外部から聞こえてくる音というよりは、自分の耳の問題である可能性がある。また、自分の身の回りのものを疑ってみる。電化製品が発生元と考えられるなら、自分の家のブレーカーをおとして、それでも、聴こえるか確認してみる。もっとも、あまりに内向的に、自虐的になるのは問題を解決しない。不定愁訴ということになると医療機関では解決できなくなってしまうが、それが外因性のものであれば、その外因を発する人に相談してみる展開があり、以下にその中で留意する事項を記す。



2.どのような苦情なのかを整理する。

この段階では、騒音を発生していると思われる方の協力も無ければ明かにならない。注意すべきは、くれぐれも失礼の無いように。自分ではそれがクロだと信じ込んでいても、よく調べてみるとシロだったということはよくある。思い出さなければいけない。音の特定はとても難しいということを。失礼があり、人間関係がこじれることもあるし、下手な対応をせまったりして無用の出費をさせると、後で補償を問われることもある。いずれにしても以下を明かにしていく必要がある。
音源と思われる機械があるかどうか?
疑われる機械がある場合、機械が設置された時期、機械の稼働時間、機械の仕様と騒音の実験値、機械と自宅との間の距離などの情報の整理とともに、機械が動いたとき、とまった時がわかるか?
などの体感記録も必要である。

騒音を感じるのはどこにいてもいっしょか?
部屋を変えるとあるいは高さを変えると音の性質や音量がかわるか?
平面図に具体的に状況を記してみると良い。傾向がわかるものだ。

他の人に聴こえるか?
自分の家の中、あるいは近隣で、複数人の症状を確認してみる。

どんな音をどのように、どれくらいの音量で感じるのか?擬音語での表現も良いが、似た音で表現できると、あるいは、テープで具体的にとれると良い。
この時、一般に認知されている音を、基準となる音量として最初に録音してから対象の音を録音すると、それに比較して、どれくらいの大きさの音なのかを他人にわかりやすく伝えることができる。

窓を開けたときと閉めたときとでは違いがあるか?
道路に近い場合、バス、トラックなどの頻度はどうか?
それと苦痛との関係はあるか?
浄化槽でも音の出るものがある。強く感じる時間帯があるか?
定期的か?天気には影響あるか?
窓ガラスががたつくことがあるか?
振動を感じることがあるか?
ベッド、畳、床、ふとん、そのほかいらいらする、寝られない、目が覚めやすいなどの状況はどうか?
方向性はあるか?
周辺の建物・道路の状況、音源と思われるものの状況を見取り図にまとめてみる。



3.発生源と思われる人との相談  
当事者どうして話しあってみる。発生源の機械をオン・オフして、それでも聴こえる状況がかわるなら、それが被害者を悩ませているものなのであろう。できれば第三者立ちあいが良い。時計をあわせておいて、ある一定の時間に音をならし、記録しておく。受音側ではいつ音が聴こえたか、それが、悩ませている音なのかを確認する。より疑わしい状態が確認できれば、原因の特定と対応方法について、専門家も含めて対応を考える。費用負担については、前もってよく検討しておくほうが良い。そのタイミングで入るのが必要なのかどうかを含めて。単なる第三者調査という形ではあまり、役に立たないケースも多いそうである。

4.行政

音の問題は多分に心理的な問題もあり、人間関係をこじらせる原因にもなる。もし、そのようなことを避けたいなら、早めに第三者に入ってもらって、冷静な目でみてもらうということも選択肢にいれるべきだろう。行政では、環境対策課などという名前で専門の部署があるので、相談に行く。専門家とまではいわなくても、この手の苦情をよく知っている人たちが適切に判断してくれたり、被害者と加害者との間に入って、説明してくれるだろう。また、一定規模以上の行政団体だと計測器を持っており、計ってくれたり、貸しだしてくれたりする。以下に環境庁のホームページを紹介しておく。http://www.env.go.jp/air/index.htmlただし、汐見氏の書籍には、必ずしも中立で動いてくれない行政があるという。例えば、調査概要を事前に音発生源の方に知らせるので、発生源の方はそのときだけ音を小さくするなどの不正を行ったりする可能性があるということである。また、ある暴走族等の発生音に対して、対応が役所なのか警察なのかという点で割れて迅速な対応をしてくれないなどの話もきいたことがある。通報した人への暴走族からの嫌がらせがあることもあるという。どのような手段が一番良いのか選択するときに一考の余地がある。

5.1実際の騒音対応 1

騒音を感じたら、どうしたらよいのだろう?
以下に中野有朋氏の著書から項目だけ抜粋してみる。 内容については著書を参照されたい。

1.問題点で音を聴く(大きさ、周波数、方向、区別、発生箇所、問題の音の把握)
2.騒音の測定(問題の音を定量的に把握する。)
3.騒音防止目標の設定(どの性質の音を、何DB下げるなどの目標の設定)
4.低減対象周波数バンドの確定(防止目標を達成するために低減を計る周波数バンドを確定)
5.騒音発生箇所の調査・診断(問題となった周波数成分を含む音源の明確化)
6.騒音防止技術の適用(騒音発生箇所に後述する防止技術を適用する)

専門の分野なので、コンサルタントにはいってもらうほうが良いケースが多いが、実際には、その費用負担の問題もあるので、被害者側からいきなりそのような手段に出ることは難しいだろう。

4.3低周波音・超低周波音  超低周波音の特徴と対策

超低周波音については、以下の特徴がある。

①一般的には聞こえないが、とても大きな場合は聞こえる。

②圧迫感や振動感を感じる。

③睡眠妨害(95dBくらいから影響が出ている実験値あり)

④人体への影響 (120dBからの影響を記録する実験値あり)

⑤建具類に及ぼす影響  共振(木製建具5-10Hz、金属製建具20Hz以下)により、70-80dBでもがたつく。力としては28gくらいのものだが、共振により増幅する。

⑥生活環境における超低周波音(通常環境下でも商業系地区なおどでは60-90dB,60-93dB(G)、住宅系地区54-85dB,55-91dB(G)


また、超低周波音の対策については以下のものがある。

①共振・共鳴防止(あらかじめ固有振動数を調べ一致するようであれば、補剛などによってこれを変える。

②消音器:共鳴型消音器と膨張型消音器がよく使われる。

③遮音:騒音の時は質量則が、低周波音では剛性則が用いられる。

4.2低周波音・超低周波音  低周波音の特徴

以下に低周波音の特徴を記す。

①最近の機械の高性能化、小型化に対して、しばしば、音が犠牲にされる。そのため、最新式のもののほうがうるさくなることがしばしばある。これは、低周波領域の音が、人間に聴こえる感覚が鈍いため、機械開発側は低周波音の領域で許容値をあげることが多いためだという。

②低周波音公害は長時間かけて次第にきつくなっていき、ついには耐えられないものになる(鋭敏化)

③被害は不定愁訴が主で、医療機関では対応できない。

④被害は、仕事、あるいは生活が、あまり身体を動かさずに同じ現場で長時間いるという状況で引き起こされやすい。

⑤問題解決には、被害者自身が低周波音に対する知識を身につけることが要求される。

⑥騒音と(地盤)振動は測定しても、低周波音は無視され、なおざりにされることが多い。

⑦防音壁は役にたたない。防音壁をすると一般騒音対策としては有効なため、多くの音の成分が失われ(マスキング効果がなくなり)、逆に、それを通過する低周波音がうきたつ現象がある。

⑧被害の判断の中心は現場の状況であり、現場の測定でなければならない(現場主義)

⑨実験室で得られた感覚閾値、最小可聴値を現場に適用するのは誤り。

⑩裁判で指し止めは期待しがたい、裁判に勝っても被害者は救われない。

⑪一般騒音計でも、dB(CまたはF)-dB(A)≧10~20dBだと低周波音の発生が疑われる。これは、もともとA特性では低周波音の領域の音をさし引いているのだから、そのような荷重をかけない平坦な特性を持つものとの差に着目して分析しているわけである。

⑫低周波音の荷重特性としてG特性dB(G)が規定され低周波音レベル系として市販されている。

⑬周波数分析をするのが良い。

⑭オールバス

⑮騒音公害と低周波音公害との識別表
            騒音公害       低周波音公害
感覚        聞こえる         感じる、わかる、聞こえる
被害の表現   やかましい(うるさい)  苦しい(うるさい)、他
被害の実際   聴力障害(不定愁訴)  不定愁訴(不快感)、がたがた
被害の状況   戸外できつい       室内できつい
戸や窓      閉めたら楽        あけたら楽
テレビなど    楽になるとは限らぬ   つけたら楽
振動感      伴わない         きついと伴う
個人差      少ない          著しい
普通騒音計   測定できる        測定できない
対策(耳栓)   有効            無効?(憎悪?)
対策(遮音壁)  有効            かえって憎悪
締め切る     有効            かえって憎悪
防音室化     有効           無効(かえって憎悪?)
難易さ      対策は容易       対策はきわめて困難
経過       慣れてくることが多い  鋭敏になっていく
規制基準    あり             なし

4.1低周波音・超低周波音

20-100Hzの音を低周波音20Hz以下の音を超低周波音として区別している。
通常の人には聴こえづらいという音だが、その音が聴こえるようになってしまうと、とても気になる音だという。周りに理解者も得がたいため、対応もにぶく、被害者としてはかなりつらい思いをするという。環境省ホームページhttp://www.env.go.jp/air/teishuha/に様々なことがまとめられている。基本的には、法的義務は無いとの見解を良く聞く。裁判での係争で勝訴したケースがあるという。

低周波音については中野有朋氏、汐見文隆氏の著書に詳しい。

3.3騒音の測定 FFT分析器

騒音波形の周波数成分を知るために、フーリエ級数展開を利用したディジタル処理方法があり、コンピューターの発達と共に多用されている。アナログ方式と比較して、処理方法に柔軟性があり、分析幅も狭いので周波数成分を性格に測定することができる。

3.2騒音の測定 周波数分析

音の波形をそのままオシロスコープで見ると、規則性が無いことが多く、そのものからは音の性質、機械の特性を知ることはできない。
音の特性は、周波数によって大きく変わるので、どのような周波数で構成されているかを知ることは大切である。また機械の音あるいは建築関係の音でも、共振の現象があり、独特のきまった周波数成分を持っていることが多い。音の周波数を測定するためには、1/3オクターブ分析器に代表される1/nオクターブ分析器と、精細な周波数の測定に向くディジタル方式のFFT分析器がある。

1/nオクターブ分析器:騒音の分析に通常使われるのは,1/3オクターブもしくは、1/1オクターブの分析器である。1オクターブ8周波数で倍)を3つに分けた1/2オクターブ分析器がよく使われる。-パスフィルタとハイパスフィルタを組みあわせて、ある帯域幅の音のみを通すようにしたアナログフィルター方式と、ディジタル方式で1/6、1/12オクターブ分析もできるものがある。

3.1 騒音の測定 音圧レベル、騒音レベル

騒音の測定は、一般にオーバーオールレベル(騒音レベル、音圧レベル)の測定とバンドレベル(騒音レベル、音圧レベル)の測定の二つに分けられる。

バンドレベルの測定は周波数分析という。オーバーオールレベルの測定は騒音計を用い、周波数分析は、騒音計に、オクターブ分析なたが1/2オクターブ分析器を接続しておこなわれる。

騒音計は、付属のマイクロホンで受けた音圧を、電気回路によりメーターを動かす方式と数字が表示される方式とがあり、その指示値を読み取る構造で、JIS C 1502普通騒音計およびJIS C 1505精密騒音計がある。また、等価騒音レベルなどの騒音評価値を算出する演算機能を備えている積分形または積分平均形と呼ばれるものもある。

騒音計を使用する場合は、風の影響が出る場合があるので、ウィンドスクリーンを必ず取りつけて測定する。このウィンドスクリーンは騒音計の先の膜(この膜が振動して計測する)を保護する働きもある。精密機械なのでとり扱いはよく注意する必要がある。



動特性:騒音計の時定数を"FAST”(時定数0.125秒間のL5)にし、騒音レベルを測定する場合は、A特性にセットしてメータを読む。A特性とは、低い周波数に対して感度の低い人間の特性を加味して補正したものである。SLOWはLeqで1秒間の平均で、低周波音の測定に用いられる。定常騒音については、FASTもSLOWも同じだが、変動性の騒音では動特性の選び方によって支持や記録が異なる。人間の耳の特性にはFASTが近似するが、航空機騒音や新幹線騒音の測定にはSLOWを用いるよう規定されている。等価騒音レベルのような積分地をを求めるときもSLOWを用いることが推奨されている。

メーターはできるだけ右までふれるようにレンジを選ぶが、振りきってはいけない。そのため、突発音が大きいときなどには、レンジの選定は結構難しい。

暗騒音補正:測定転移おいて、特定の音だけ医を対象として測定したいとき、その場所でその音が無いときの騒音を、対象の音に対して暗騒音という。
対象の音のれべるに比べ、案騒音のレベルは必ずしも小さくないし、対象の音に対して暗騒音という。対象の音のレベルに比べ、案騒音のレベルは必ずしも小さくないし、対象の音と混合して測定値に影響を及ぼす。10DB以上差があると、影響は無視できるが、10dB以上未満のときは、補正する必要がある。差が3dB未満なら暗騒音が大きいので測定不能である。なお、2音の分解のための略算として以下を参照する。
対象の音がある時と無い時の指示の差  (その時の補正値)
     3                      (-3)
    4-5                     (-2)
    6-9                     (-1)
    10以上                   (0)

公害測定の場合は、標準として地上1.2-1.5mで敷地境界線で測定する。機械騒音の場合は、目的にしたがって適切な位置で図ればよい。JISに測定法が規定されている機械はそれにしたがう。建設関係の騒音測定の場合も敷地境界線等目的にあった適切な場所で計る。時間的に機械がオンオフし騒音レベルが変化する場合は、機械が稼動した状態での値を読みとるが、常時変動する場合は、一定時間ごとにレベルを読みとり、レベルの大きいものから数えて、5%(L5)の値で表示することもある(騒音規制法)。その他測定対象と測定店の選定については、原則があるので、それに従う。

測定対象
屋外の街頭などの一般騒音は車道側の歩道端または道路端   

最近は様々な低価格の機械も売られている。GA TM God Abilityという機械で8000円。Maxhold機能もついて、値段の割には高機能である。

また、時間的に騒音のエネルギーを加算平均した等価騒音レベル(Leq)も利用される。道路交通騒音、アセスメント、OA機器、工場内騒音の計測に使われつつある。等価騒音れベルを直接計測できる騒音計も販売されている。一定時間ごとの騒音レベル測定から等価騒音レベルを計算計算する引きは以下の通り。(dB)

エネルギーで足して最終的にdBに換算している。
Leq24は24時間の平均、したがって単にLeqの値と比べると相対的には低く出る。そのほか、Leq day, Leq evening というものがある。

騒音レベルには、評価の目的に応じて以下の種別がある。
 騒音レベルLpa A特性音圧レベル
 時間率騒音レベル L ANT  時間TのN%にわたって騒音レベルがこの値を超えている
 単発騒音暴露レベル L AE 単発的に発生する騒音を対象とする
 等価騒音レベル Leaq.r 時間を明示する

2.6音の物理的側面 室内での音の伝播

音響が室内の床の上にある時の音の伝播は


R=αS/(1-α)であらわされる。
r(m):音源からの距離
R(㎡):室定数
α:室内の平均吸音率
S(㎡):室内の全表面積

2.5音の物理的側面 音響インテンシティ法によるパワーレベルの測定

インテンシティ法は、音源の周りの各店のインテンシティ(単位時間・単位面積当たりの伝播している音のエネルギーの大きさと伝播方向をあらわすベクトル)を測定し、面積を乗じて全体で加え合わせることによって音響パワーを求める方法である。他の機械から出る暗騒音成分によって、ある点のインテンシティが加算されても他の点でベクトル的に減産されて結果として除去されるので、周囲に暗騒音が多いところでも、測定できる。ヨーロッパ統合によって、ヨーロッパ内では、大型機械の場合パワーレベルと一点での騒音レベルの表示なった。日本ではある点(1m点など)での騒音レベルのみで表示したものが多い。

2.4音の物理的側面 音の伝播   (パワーレベルと音圧レベルの関係)

音のエネルギーは伝播するとある面積に広がり、単位面積当たりのエネルギーである音圧レベルとの関係が幾何学的に求められる。パワーレベルと音圧レベルの関係は伝播途中の部屋等の状態で変化し以下の式で表される。

(a)自由音場(無響室内の音場)自由音場は無響室内の状態であり、音の強さが距離の2条に逆比例し、地面を含め回りからの反射音の無い状態である。東京タワーの頂上から音を放射した場合の伝播状態。Lp=Lw-20× log10r-11Lpは測定点の音圧レベル、Lwはパワーレベル,rは音源からの距離(m)

(b)半自由音場(半無響室内の音場)半自由音場は、床のある無響室(半無響室)内の音の伝播状態であり、一般の広い野原の音の伝播に相当する。距離rが2倍になると音圧レベルが6dB小さくなる。倍距離6dBの減衰という。Lp=Lw-20× log10r-8

(c)拡散音場各点の音圧レベルを測定し、上記の式でパワーレベルを求めることもできる。拡散音場は、音がよく響く残響室内の音場状態であり、大きな境界、大きなお風呂屋さんで体験できる。Lp=Lw-10× log10T-10×v-14Lwはパワーレベル、Lpは残響室内の平均音圧レベル、Tは残響時間(60dB減衰する時間、秒)、V(㎥)は室容積である。

(d)パワーレベルと音圧レベルの関係通常のブックシェルフ型のスピーカー(20-30cm位の径)において、電気入力を音に変換する効率は1%くらいである。100wの電気入力であれば、1wの音響出力が得られる。残りの99wは熱になる。1Wの音響出力はパワーレベルで120dBである。一般の広い空間に相当する半自由音場で計算すると、距離1mで112dBの音圧となる。

1mの距離で42dBを実現するためには10000万分の1wの音響出力がある必要がある。機械の駆動源であるモーターの機械的な出力は100w程度であり、それに比べて音響機など決まった機械類においては、経験を加味することによってかなりの音響予測が可能になりつつある。また、試作後の騒音対策による効果は、音響シミュレーションを利用し、経験も加味して予測が可能になりつつある。

音響出力w  パワーレベルdB  距離1m音圧レベルdB   例
1          120         112      ディスコ
0.1         110         102     列車の通るガード下
0.01        100          92
0.001        90          82     大都会のうるさい雑踏
0.0001        80          72
0.00001       70          62
0.000001      60          52     先生の話さないときの教室
0.0000001     50          42     静かな住宅地

2.3音の物理的側面 音圧レベルと騒音レベルとパワーレベル

我々の周囲の音は、10-5~100 Pa程度の範囲である。この数値をそのまま用いるのは不便なので、音圧実効値を基準の音圧:10万分の2 Pa (2x10-5 Pa)で割り、その常用対数の20倍の値を用いる。これを音圧レベルといい、単位はデシベル(dB)である。このようにすると 2x10-5 Paが0 dB、20 Paが120 dBとなり、0~120程度の分かりやすい数値となる。基準の音圧 2x10-5 Paとは、人間の耳に聞こえる最も小さい音圧(最小可聴値)に近い数値。聴覚をはじめとする人間の感覚器は、物理的な刺激が2倍、4倍、8倍…というように倍増すると、はじめて等間隔で音の感覚が大きくなったように感じるという、感覚が物理量に比例する対数的性質を持っている(Wever-Fechnerの法則)。音圧レベルは以下の式で表される。
dB = 20 * log(10) P / Po, Po=2 * 10^{-5}Pa(N/㎡):実行値(rms)
dB = 20 * log(10) I/Io, Io=10^{-12} (w/㎡):実行値(rms)

3dB違うと倍の音に感じる。10dB差は10倍、20dB差は100倍である。マイクロフォンで測定されるものは音の圧力そのものである。

しかし、人間の音に対する感度は、低い周波数では悪くなる。人間の感度に合わせて、低い周波数の感度を落として測定したものをで表示する。通常の騒音計ではdB(F:平坦特性),dB(C), dB(A)を測定できるものが多い。A特性は耳で感じる大きさに近似させるためのものだ。

なおdB(C)-dB(A)≧10~20dBだと低周波音の発生が疑われる。これは、もともとA特性では低周波音の領域の音をさし引いているのだから、そのような荷重をかけない平坦な特性を持つものとの差に着目して分析しているわけである。また低周波音の荷重特性としてG特性dB(G)が規定され低周波音レベル計として市販されている。

音を平坦特性(F)もしくはC特性で測定した場合のレベル値を音圧レベルと呼んでおり、物理的な特性値とほぼ同じである。一方騒音規正法では、A特性で測定することになっており、この値をA特性補正音圧レベル、あるいは騒音レベルと呼んでいる。現在では騒音レベルも単に音圧レベルと呼ばれることもある。以前は騒音レベルを一般に”ホン”という単位で呼んでいたが、最近は、dBあるいはdB(A)の記号が多く使われている。低周波音といっても、30dBくらいまでなら、一般の騒音計で測れる。

音響パワーレベルは、機械などの(騒)音源が放射する音の全パワーを、レベル表示したもの。音源の評価や騒音対策の効果を示す値として重要になりつつある。機械からの発生するパワーをE(w:実行値)とするとパワーレベル=10×log10(E/10-12)である。

2.2音の物理的側面 振動数と波長と音の関係と特徴

一般的に人間の耳に聴こえる音の周波数は20-20,000HZといわれる。ただし、16000以上は聞こえない人が多い。また、低いほうは5HZでも聴こえる(ただしかなりの音圧が必要)男性がもっとも低い声を出したときの音は80-100hz程度の振動数である。音響効果を上げるときは100HZと10000hzの帯域をあげると迫力が出るそうである。

音の速度v=340m/s(常温)、波長λ(m)=(M/S)/f(Hz)、振動数=f(Hz)であるから、可聴音の波長は17m~1.7cmとなる。

音の波長λ、物体の大きさaとする。λ/2は半波長と呼ばれる。波長と物体の大きさとの間には以下の関係が知られている。
λ/2<>a:   物体の周りを回って回折する現象も起こり、複雑に伝播(波動音響)
λ/2≒a:    波動音響と幾何音響の境界

幾何音響は、比較的予測が容易だ。直進性、入射角、反射角など光とよく似た挙動をする。波動音響は、人間社会に存在する物体の大きさと半波長が似ていることが多いので、複雑な挙動をすることが多い。人間社会に存在する物体(例:人の高さ1.6mに対してそのまわりの家具・備品)を考慮すると、200-300hzを境に、波動音響に変わる傾向がある。

2.1音の物理的側面 音と音波

音は空気の振動によって空気中に発生する波によって起こる感覚である。

水面に石を投げると波が発生して伝わるのが見える。同じように音は空気中で空気を振動させながら広がる。空気の圧力が進行方向に密な部分と疎な部分で圧力差ができ、空気中を次々と伝わっていく。これを音波といい、進行方向と同じ方向の波が縦波だ。水面の波紋は2Dで平面的に円状に広がるが、音は空気中で3D立体的に球状に広がる。目にはみえない。

この波は、人間の耳に届くと鼓膜などのいくつかの器官と神経を介して人間の脳に刺激となって伝わる。この刺激が「音」である。

「音を聴く」とは物理的には「音波を感じる」ということである。

音の性質は,圧力変化の伝わる速さ,圧力変化の回数,および圧力変化の大きさの3つで表される.

1.2騒音の性質 騒音問題の種類

このように騒音問題を取り上げていくといろんな場面があることがわかる。

対策を講じるには、問題を整理する必要がある。騒音問題を音の特徴により分類すると以下のようになる。

1.騒音対策

例えば、送風機から音が出ているとする。音が大きくやかましいと、騒音問題が発生する。一般的な騒音問題で、それを防止する場合が騒音対策である。

2.低周波音対策
例えば、ボイラーの燃焼音のような、ボーっという低音が聴こえ、圧迫感がある、気になると問題になる場合がある。周波数80Hz以下の低周波音と騒音の低音という特徴に注目して対策を講じる。

3.異音対策
例えば何台かの機械だす音と異なる音を1台の機械が出している場合である。異音が何らかのトラブルのもとになっている場合は、異音を防止する場合が異音対策である。

4.超低周波音対策
耳には聴こえないが、大きくなると建具ががたづき、人体に感じられる。この超低周波音を防止する場合が、超低周波音対策である。

5.振動
振動は、音と同様に私達と密接な関係がある。ゆりかごや電動マッサージのように心地よい振動もあるが、一般的には必要のない振動のほうが多い。爆発のような突発的衝撃による振動、くい打ちや鋳造などによる繰り返し断続的衝撃による振動、発動機や工作機械などの作動による持続的衝撃による振動、発動機や工作機械などの作動による持続的振動のような種類がある。
また、発生源としては、工場や事業場の振動、建設作業振動、交通振動などに大別される。影響としては、人への影響、物への影響、騒音発生への影響などがある。対策としては、種類別、発生状況、特徴などを知ることが必要である。振動の苦情は地中を伝播・放射する形態が主であり、地盤による距離減衰が大きいので、影響は比較的近距離である。


また、騒音問題は人間の感覚の問題でもある。 そして、人間にとって音の持つ意味合いにもいくつかの種類がある。 以下に例を挙げてみる。

a.騒音: 
   制御不能で人を不快にさせる音である。
b.情報を伝達する音: 
   音には聞き手にとって必要な音がある。
   例えば、目ざましの音、救急車・消防車の音、列車の発射ベル、車内放送など
c.サウンドスケープ: 
   音の風景(波や風の音、雨の音、小川のせせらぎ、金魚売の声など)
d.サウンドアメニティ: 
   音を含めた快適環境、音にかかわって全体として快適性をもたらす状態

1.1騒音の性質 騒音とは何だろう?

私たちは、日々の生活の中で、様々な音に触れる。
音によっては快ちよい。ある晴れた日曜ののどかな昼下がりにモーツァルトの音楽を流してみてどうだろう?
一方耐え難い不快感を感じることもあるだろう。その愛すべき昼下がりに、暴走族がけたたましい音で駆け抜けたとしたら・・・・。

その暴走族当人たちにとっては、その爆音が快感なのだろうか?。いや、その人にとってみても、被害者の立場にたてば同様に不快を覚えるはずだ。

一般に、騒音を問題にする場面では、自分にとって都合の悪いケースをいうのだろうが、それはいったいどのようなものだろうか?あらためて考えてみよう。

先の例から行っても、単に音が大きいというだけでは騒音とはいえない。
先の暴走族の例以外でも、意外に身近な例ではもっと頻繁におこっている。ハードロックのコンサートに行く人にとって、その音楽は快いものなのだろう。
逆にボリュームをしぼってもらっても、ハードロックにはいやだという人もいるだろう。

しばしば、電車の中でヘッドフォンで音楽を楽しんでいる人がいるが、それからもれる音楽は、シャリシャリした感じで私にはどうにも耐え難い。一応ヘッドフォンで聞いているというのは周りへの配慮ともとれるが、残念ながら本当に不快な音を漏らしている方もいらっしゃる。何回か注意したことがある。が、最近ちょっとした注意に逆切れして暴力をふるう方もいるようだから、そうそう簡単に注意もできない。

逆にそもそも小さいのに十分不快な音もある。
蚊のブーンという音が何DBなのか計ったことはないが、特に寝入りばなに耳元で飛ばれると私は気になってしょうがない。

まさに個人差のある感覚だ。

これらの個人差のある感覚が、人間関係の中でトラブルが発生した時に騒音問題が表面化する。
騒音問題の発生は以下の点がかぎになる。

1.音の受け手が、受ける機会とその量と性質、そして発信源をコントロールできないこと。
2.音の受け手がコントロールできないものが、不快であること。または必要の無い音であること。

騒音問題には、音の音色や音量が大きくてうるさいという物理的名側面と、音を出している人が気に入らない、音をだしている事業が気に入らない、こちらは被害をこうむっているのにちっとも対応してくれないなどという心理的な側面もある。また、環境にも左右される。

冷蔵庫は35db(A)くらいだが、一般家庭では気にならなくても、ワンルームでは気になる人も多い。

工場でお金を設ける人にとっては騒音と感じられなくても、働いている人にとっては場合によって騒音と感じられる。一日8時間85db(A)以上の騒音にさらされる場合は、難聴になる危険性がある。

ごく低い周波数の音のみが聴こえる、あるいは近くされると低周波音問題が発生する。(モーター、ボイラー、車のアイドリング、高速道路橋等)最近は住宅街でも、空調機の屋外機の音がうるさいなどの苦情もある。

同じ音でも快、不快の評価に個人差はある。大きすぎる音、嫌悪・不快感の音、仕事に悪影響を及ぼす音、思考・会話などの妨げになる音などの種類がある。


このような様々な現象に対して、人間の満足感を得られるようにするには、どのように解決していけばいいのか?

ひとつの試みをここに記したい。

はじめに

実家で、低周波音被害を訴える人の相談をうける機会がありました。
この機会に、音に関する基礎知識と騒音対策について、ちょっとまとまてみました。

本稿はこれまで個人的に学んだもののほかに、以下の文献等も参照し、個人的な知識の整理としてメモ程度にまとめたものです。詳細は、是非以下の専門書等をご参照ください。

本稿を参考にするのは自由ですが、それによりおこったいかなるトラブルにも関知できませんし、責任も負えません。なお、ご意見、ご指摘は拝聴し、適宜修正を加えていく所存でございます。

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参考:(敬称略)
隠された健康障害-低周波音公害の真実   汐見文隆
超低周波音  基礎・測定・評価・低減対策  中野有朋
実践 騒音対策 騒音・低周波音・超低周波音 中野有朋
騒音防止ガイドブック 前川純一・岡本圭弘 共著
騒音SOS 山田伸志

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