2007年9月15日土曜日

2.3音の物理的側面 音圧レベルと騒音レベルとパワーレベル

我々の周囲の音は、10-5~100 Pa程度の範囲である。この数値をそのまま用いるのは不便なので、音圧実効値を基準の音圧:10万分の2 Pa (2x10-5 Pa)で割り、その常用対数の20倍の値を用いる。これを音圧レベルといい、単位はデシベル(dB)である。このようにすると 2x10-5 Paが0 dB、20 Paが120 dBとなり、0~120程度の分かりやすい数値となる。基準の音圧 2x10-5 Paとは、人間の耳に聞こえる最も小さい音圧(最小可聴値)に近い数値。聴覚をはじめとする人間の感覚器は、物理的な刺激が2倍、4倍、8倍…というように倍増すると、はじめて等間隔で音の感覚が大きくなったように感じるという、感覚が物理量に比例する対数的性質を持っている(Wever-Fechnerの法則)。音圧レベルは以下の式で表される。
dB = 20 * log(10) P / Po, Po=2 * 10^{-5}Pa(N/㎡):実行値(rms)
dB = 20 * log(10) I/Io, Io=10^{-12} (w/㎡):実行値(rms)

3dB違うと倍の音に感じる。10dB差は10倍、20dB差は100倍である。マイクロフォンで測定されるものは音の圧力そのものである。

しかし、人間の音に対する感度は、低い周波数では悪くなる。人間の感度に合わせて、低い周波数の感度を落として測定したものをで表示する。通常の騒音計ではdB(F:平坦特性),dB(C), dB(A)を測定できるものが多い。A特性は耳で感じる大きさに近似させるためのものだ。

なおdB(C)-dB(A)≧10~20dBだと低周波音の発生が疑われる。これは、もともとA特性では低周波音の領域の音をさし引いているのだから、そのような荷重をかけない平坦な特性を持つものとの差に着目して分析しているわけである。また低周波音の荷重特性としてG特性dB(G)が規定され低周波音レベル計として市販されている。

音を平坦特性(F)もしくはC特性で測定した場合のレベル値を音圧レベルと呼んでおり、物理的な特性値とほぼ同じである。一方騒音規正法では、A特性で測定することになっており、この値をA特性補正音圧レベル、あるいは騒音レベルと呼んでいる。現在では騒音レベルも単に音圧レベルと呼ばれることもある。以前は騒音レベルを一般に”ホン”という単位で呼んでいたが、最近は、dBあるいはdB(A)の記号が多く使われている。低周波音といっても、30dBくらいまでなら、一般の騒音計で測れる。

音響パワーレベルは、機械などの(騒)音源が放射する音の全パワーを、レベル表示したもの。音源の評価や騒音対策の効果を示す値として重要になりつつある。機械からの発生するパワーをE(w:実行値)とするとパワーレベル=10×log10(E/10-12)である。

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